「国内最古」12万年前の石器、実は7万年前か
砂原遺跡で見つかった石器(2009年9月、松江市で)=永井哲朗撮影
「国内最古」とされていた島根県出雲市の砂原遺跡の石器が、最古と言えない可能性のあることが、松藤和人・同志社大教授らの調査でわかった。
松藤教授らは昨年9月、出土した場所のすぐ上の火山灰層の年代などを根拠に、「約12万年前」と発表したが、その後の調査で火山灰層の年代が約7万年前と判明した。23日、東京・国士舘大で開かれた日本考古学協会の総会で、松藤教授が明らかにした。
ただ、松藤教授は、地層の形成時期などから最も古い場合は約12万7000年前の可能性もあるとしており、23日の発表では「7万年前~12万7000年前」と年代に幅を持たせる考えを表明した。
松藤教授は
「『最古』ではなく、『最古級』とすべきだった。火山灰がよく似ており、同定が難しかった。今後、周辺の調査をすれば、年代を絞り込めるだろう」
と話している。
[ 2010年5月23日 (読売新聞)
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