上げ馬神事:「虐待行為根絶を」三重の文化財保護審
人馬一体となり土壁を駆け上る「上げ馬神事」=三重県桑名市多度町の多度大社で2010年5月、兵藤公治撮影
三重県桑名市の多度大社と同県東員町の猪名部(いなべ)神社で行われている県指定無形民俗文化財の「上げ馬神事」で、馬を興奮させるために砂をかけるほか、骨折した馬の耳に水を入れるなどの虐待があったとして、県文化財保護審議会は13日、県教委に対し、馬の取り扱いなどについて改善措置を講じるよう求めた。神事を巡っては、馬への虐待行為や未成年者の飲酒などの問題が指摘されており、同会が調査していた。
報告書は、馬に砂や小石を投げつけたり、骨折した馬を約20分間放置するなどの虐待行為があったと指摘したうえで「改善されているが、根絶されていない」として、県教委に対し、調査を続けるよう要請し、動物愛護に関する意識啓発や事故が起きた場合に速やかな対応が取れるよう体制を整えることなどを求めた。【福泉亮】
[ 2011年1月14日 (毎日新聞)
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