下田市・安直楼

かるの

2011年03月15日 21:16





安直楼

 米国総領事ハリスに仕えた「お吉」が一八八二年に、小料理屋を営んだ建物である。
 一八五七年、恋人鶴松との仲を裂かれて領事舘に出仕したお吉は、以後、町の人達から「唐人お吉」と蔑まれ、酒に浸って、やがて姿を消す。
 年月を経て、当家「安直楼」を開業したが、自ら酒に溺れて数年で店をたたむ。
 幕末開港の陰に咲いた一輪の芯、お吉は一八九〇年、稲生沢川に身を投げてそのはかない生涯を閉じた。四十八歳であった。
 なお、当家には、お吉の愛用の遺品も保存されている。

関連記事