さい銭泥棒の仕業?重文の金剛力士像が破損

かるの

2011年04月28日 14:17



 16日午後7時頃、京都市伏見区醍醐東大路町、世界遺産・醍醐寺の西大門で、重要文化財「木造金剛力士 立像 ( りゅうぞう ) 」(高さ約3・6メートル)の2体のうち「阿形(あぎょう)」像の衣装部分の一部(長さ約30センチ)が破損しているのを、京都府警山科署員が発見した。

 醍醐寺ではこの約1時間前、男が阿形の柵(高さ約1メートル)の中でさい銭を盗んだとして同署に逮捕され、その捜査中に破損が見つかった。同署が関連を調べている。

 発表によると、破損していたのは、西大門南側の柵の奥に立つ阿形がまとう「天衣(てんね)」のすそ部分。

 逮捕された同区の自称自営業大森英治容疑者(52)は同日午後6時頃、阿形の足元に投げ込まれていたさい銭2161円を盗んだ疑い。同寺関係者が見つけて110番し、駆け付けた同署員が逮捕した。

 木造金剛力士立像は、平安後期の1134年(長承3年)に造られ、1970年に重文指定された。同寺は「温和な表情で、制作年代がわかる金剛力士立像は貴重」としている。

 醍醐寺は真言宗醍醐派の総本山で、874年に創建。多くの国宝や重文があり、寺全体が1994年に世界遺産登録された。


[ 2011年4月17日 (読売新聞)

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