「レモンの石碑」が完成 国産発祥の地、広島・尾道に

かるの

2012年06月10日 14:15



 レモンの生産量日本一を誇る広島県尾道市瀬戸田町(生口島)で、国産発祥の地をアピールする「レモンの石碑」が完成し、28日に除幕式が行われた。参列者は先人の苦労に思いをはせ、県が展開している「広島レモン」ブランドのPRと産地振興を誓った。

 石碑はしまなみ海道の多々羅大橋を臨むサイクリングロード脇に設置された。イタリア産大理石製で、幅約1・7メートル、台座を含む高さ約1・6メートル。「国産レモン発祥の地 ~せとだ・エコレモン~」のタイトルで、同町でのレモン栽培の歴史が刻まれている。

 式では、県や尾道市、JA三原などでつくる「瀬戸田地域果樹振興対策会議」の宮本一志会長(66)が「先人の苦労と歴史を後世に伝え、決意を新たに柑橘産地として発展させたい」とあいさつ。関係者が除幕した。

 昭和57年、近くの通称「レモン谷」入り口の国道317号沿いに、生産者有志が木製の「発祥の地」碑を設置していたが、風雨で劣化し10年ほど前に撤去された。このため、昨年から新たな碑の設置を進めていた。

 JA三原によると、同町では明治初めから柑橘の栽培が始まった。レモンは昭和初年から本格的にスタート、日本一の産地になった。昭和39年の自由化で壊滅的打撃を受けたが、安全性を重視して復活。平成24年産も約2400トンを見込み、國川剛平組合長は「量、質とも日本一の産地と自負している」と述べた。


(2012年5月28日- 産経新聞)

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