100年前の騎兵演習場復元、スポーツ施設に…盛岡・覆練兵場
多目的施設として生まれ変わることになった旧日本陸軍の覆練兵場(盛岡市青山で)

盛岡市は、旧陸軍の「 覆 ( おおい ) 練兵場」(盛岡市青山)を、フットサルなどのスポーツやイベントに使える多目的施設に再生する方針を固めた。
歴史的建造物としての保存を望む住民に配慮し、レンガの亀裂部分の補修など改修を最小限にとどめる。2010年度中に着工し、12年度からの開放を目指す。
覆練兵場は、幅約24メートル、奥行きが約49メートルの平屋建てで、床面積は約1160平方メートル。赤レンガ造りの外観が特徴。1909年に旧陸軍の騎兵演習場として建設され、2005年に市が国から取得した。
市の構想によると、歴史的建造物として保存する意味合いもあるため、建物の外観に関しては、創設時の状態に復元することを目指しながら、敷地内にクラブハウスなどを整備する。
一帯には、別の2つの覆練兵場があったが、昨年相次いで取り壊されており、市が所有する覆練兵場の活用策に関心が集まっていた。
同市青山に住む小山田稔さん(56)は
「今時珍しい赤レンガの色が印象的で、地域のシンボルのような建物。ただ存在するだけでなく、実際に住民が使えるように整備されるのは喜ばしい」
と話す。
全国的にも、覆練兵場が建設当時の姿のまま保存活用される例は珍しい。北海道旭川市にある同様の覆練兵場跡は国の重要文化財に指定されており、盛岡市も国の登録有形文化財への申請を検討している。
[ 2009年4月24日 (読売新聞)