<無形文化遺産>「ナマハゲ」など13候補…文化庁、提案へ
文化庁は20日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産の「代表一覧表」に来年記載する候補として「男鹿のナマハゲ」(秋田県)など13件を提案することを決めた。
一覧表は世界遺産の無形遺産版。外務省との連絡会議を経て、今年8月までに政府としての提案書をユネスコに出し、来年9月に開かれるユネスコの委員会で記載可否が決まる。
日本は、国指定の重要無形文化財と重要無形民俗文化財、選定保存技術の中から、分野や地域のバランスを考慮し、指定時期の早いものから順次提案していくことにしており、昨年は雅楽など14件を提案した。
今回の候補としては、沖縄に伝わる歌舞劇「組踊(くみおどり)」や豊作を祈願する行事「壬生の花田植」(広島県)などを提案した。
一覧表への記載は世界遺産とは異なり、専門機関による価値の評価は行われず、書類審査のみで可否が決まる。ユネスコは昨年11月、日本の3件(能楽、人形浄瑠璃文楽、歌舞伎)を含む90件を初めて記載。今年9月28日からアラブ首長国連邦・アブダビで開く委員会で、昨年提案分の記載候補を審査する。【加藤隆寛】
◇ユネスコ無形文化遺産「代表一覧表」への提案候補
【重要無形文化財】
<芸能>組踊(くみおどり)(沖縄)
<染織>結城紬(ゆうきつむぎ)(茨城、栃木)
<手漉(てすき)和紙など>本美濃紙(ほんみのし)(岐阜)
【重要無形民俗文化財】
<祭礼>秩父祭の屋台行事と神楽(埼玉)、高山祭の屋台行事(岐阜)
<年中行事>男鹿のナマハゲ(秋田)
<生産・生業など>壬生の花田植(広島)
<神楽>佐陀神能(さだしんのう)(島根)
<田楽>那智の田楽(和歌山)
<風流>綾子踊(香川)
<舞台芸など>諸鈍芝居(しょどんしばや)(鹿児島)
<総合的分野など>多良間の豊年祭(沖縄)
【選定保存技術】
建造物修理・木工
[毎日新聞5月20日]