祇園祭始まって以来、船鉾車輪を科学調査へ
08年の祇園祭で巡行する船鉾。今年は車輪が新調される

祇園祭の船鉾の車輪を調査するため、船鉾保存会は3日、昨年まで1世紀以上にわたって鉾を支えてきた車輪4点と車軸2点を京都大に寄託した。
同大学の生存圏研究所(京都府宇治市)で、強度や材質について調べる。車輪の詳しい調査は、祇園祭1100年余りの歴史で初めてという。
船鉾は、神功皇后ら4体のご神体を船の形の鉾に乗せており、総重量約6トン。応仁の乱以前の15世紀半ばにはあったとされる。昨年まで使っていた木製車輪(直径約2メートル)や車軸は1892年製造で、傷んでいたため今年、新調した。
同研究所の川井秀一所長(60)が船鉾の車輪を扱う 車方 ( くるまかた ) を約20年間務めていることから、同研究所で調査。川井所長は
「山鉾巡行の 辻 ( つじ ) 回しなど見せ場を共に演出してきた車輪なので、とても愛着がある。木の材質や強度の謎を探りたい」
と話している。
この日、京都市下京区の船鉾町会所で、神功皇后のご神体につける面の無事を確かめる「 神面 ( しんめん ) 改め」が行われた後、同保存会と同大学が調印式を行った。秋頃には同研究所で展示される。
[ 2009年7月3日 (読売新聞)