武蔵国司館跡か、府中で大型の建物4棟発見
発掘された8世紀頃のものとみられる大型建物跡(読売ヘリから)

古代に武蔵国の国府があった東京都府中市の市街地で、8世紀頃のものとみられる大型の掘っ立て柱建物跡が4棟見つかった。
構造や配置などから、公的な機能を持った国司の館ではないかと専門家は見ている。
発掘は民間調査会社「共和開発」が行った。発見された建物跡のうち、主屋とみられる1棟は東西11・4メートル、南北7・4メートル。南北にひさしがあり、柱穴の直径は約1メートルあった。建物跡の配置は陸奥国の国司の館跡とされる 館前 ( たてまえ ) 遺跡(宮城県多賀城市)と似ている。現場は、JR府中本町駅前で、江戸時代には徳川家康が 鷹 ( たか ) 狩りに用いた府中御殿があったとの伝承が残っている。
佐藤信・東京大教授(日本古代史)の話
「大きさや規則正しい配置から、国司の館の可能性が高い。これだけ整然とした建物跡は、陸奥国府でしかみつかっていない。国司の館の機能を研究する上で貴重な発見だ」
[ 2010年3月19日 (読売新聞)