<祇園祭>山鉾飾る懸装品修復ラッシュ、理由は天明の大火?

 祇園祭の山鉾(やまほこ)の前後左右を飾る懸装品(けそうひん)の新調・修復ラッシュが続いている。京都市によると、09年までの10年間で61点。今年も孟宗(もうそう)山や霰(あられ)天神山で新たに制作された。関係者によると、集中の理由は意外にも1788年の天明の大火にあるという。

 懸装品の多くは絹織物で海外産も珍しくない。32基がそろう7月17日の山鉾巡行は「動く世界の美術館」とも呼ばれる。だが、天明の大火では、20基以上が被害を受け、大半が復帰するのに十数年かかった。多くの懸装品修復を手がける川島織物セルコン(京都市)によると、絹製品の寿命は約100年で、大切に扱えば2倍程度長持ちする。だから、今、多くの山や鉾の懸装品が更新時期という。

 大火で焼けた際の孟宗山の胴掛けの復活は1808年。劣化が進み、今年、故平山郁夫さん原作の「砂漠らくだ行」(縦155センチ、横270センチ、2枚)に一新した。火難を免れた霰天神山も前掛けのベルギー製タペストリー(縦125センチ、横175センチ)などを新調。町人文化が花開いた文化文政期だけに、霰天神山保存会は「他町と競うように制作したのだろう」と推測する。【熊谷豪】


[毎日新聞7月11日]



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2010年07月17日 Posted byかるの at 09:02 │Comments(0)文化財保護

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