直撃!仁徳天皇陵でぼや騒ぎ、不敬釣り人の実態
世界文化遺産登録を目指している大阪府堺市堺区の仁徳天皇陵で先月、無断でお堀に侵入した釣り人が原因とみられるぼやが発生した。管理する宮内庁古市陵墓監区事務所は大阪府警堺署に被害届を提出。不敬な釣りキチの実態を、同事務所の担当者に直撃した。
――ぼや発生時の状況は?
「先月16日午後5時ごろ、通行人が炎を発見して通報があった。周囲の枯れ草など50平方メートルが燃えた。職員がバケツの水で消し止めた。手製のランプのようなものが残されていた。『釣り人の可能性』と報じられたが、原因は調査中です」
――被害届を提出した
「今後、連続して発生すると怖いので堺署と相談した上、住居侵入と礼拝所不敬の容疑を併用し、捜査してもらうことになった」
――釣りの名所になっているのか
「三重に堀があるうち、2番目の堀でブラックバスやブルーギルをねらう釣り人がいるが、そんなに釣れるとは思えない。1時間に1匹も釣れないのではないか。早朝や夕方から夜にかけて釣れるようで、ちょうど職員がいない時間に重なっている」
――どうやって侵入するのか
「柵はあるが、土手にかかる斜面の部分にはどうしても地面と隙間ができる。そこを何度も人が通るので『けもの道』のように地面が削れて隙間が広くなってしまう。板で補強しても取り払われたり、本当にイタチごっこですわ」
――最近、被害が目立つようになったのか
「いいえ。昔から釣り人はいます。お堀にはコイやフナがいるので浮き釣りをする人がいた。それが十数年前にだれかが外来種の魚を放したようで、ルアー釣りに変わった。食べ物の残骸や釣り道具のゴミも残していくので迷惑している」
[ 2011年1月5日 (夕刊フジ)