江姫は岐阜生まれ?市内の神社に史料
織田信長の妹・市の三女で、NHK大河ドラマの主人公・江(1573~1626年)は、現在の岐阜市で生まれた可能性があることが、同市内の伊奈波神社に伝わる史料などでわかった。
近江国小谷(現・滋賀県長浜市)の生まれとされる通説とは異なっており、調査した同神社の五島 巌謙 ( みちのり ) さん(39)は
「断定することはできないが、江と岐阜の縁を示す貴重な史料」
と話している。
江は戦国大名の浅井長政と市の三女として天正元年(1573年)に誕生したとされる。通説によると、同年9月、長政が居城の小谷城を信長に攻め落とされて自害、江は市と姉2人とともに信長に保護され、一時、岐阜に滞在した。その後、徳川幕府の2代将軍秀忠の正室として3代家光の母となり、没後は「崇源院」と呼ばれた。
五島さんは、江戸時代の岐阜の町史などをまとめた「岐阜志略」の写しや、同神社に残された神社史など4種類の史料に、「市は岐阜に逃れて、女子を出産。女子はその後の崇源院である」とする趣旨の記述を発見。江が同神社を 産土神 ( うぶすながみ ) として信仰していたとする一節も見つけた。
[ 2011年3月11日 (読売新聞)