消えたうだつ復元 美馬の「町並み」、民家修復中に跡発見
【写真説明】2階外壁の両端にうだつを復元中の三宅さん所有の家屋=美馬市脇町

国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されている美馬市脇町のうだつの町並みで、修復中の家屋にかつてのうだつの痕跡が見つかり、復元作業が進められている。うだつのある家屋の数が増えるのは、1989年に重伝建に選定されて以降では初めて。景観保存に取り組む地元関係者らから歓迎の声が上がっている。
痕跡が見つかったのは、美容室経営三宅三千代さん(67)所有の木造2階建て、延べ約125平方メートルの町家。1893(明治26)年の建築で、約50年前に三宅さんの母親が購入し、借家などとして使われていた。
老朽化したため、2010年度から3カ年計画で、文化庁の補助事業を活用して修復工事に着手。11年3月、作業中の業者が町並みに面した2階の外壁の東西両端に、過去にうだつが取り付けられていたとみられる断面を発見した。
断面は幅約80センチ、高さは最大120センチで、市教委が構造などからうだつの跡と確認。三宅さんは「町並みのうだつが増え、景観づくりに役立てば」と復元を決めた。
この家屋でうだつが取り除かれた経緯や時期は不明。市教委によると、災害などで破損したうだつを修理した例はあるが、調査で見つかったうだつが復元されるのは初めてという。
地元住民でつくる南町町並み保存会によると、現在うだつを備えた家屋は町並み沿いに27戸あり、今回の復元で28戸に増える。小田完二会長は「家屋は町並みの東側入り口近くにあり、うだつが復元されれば見物客へのPR効果も高い」と歓迎している。
文化庁の補助事業は修復工事費の80%、最大600万円を国、県、市が補助する仕組み。うだつの町並みでは毎年、2、3戸ずつを対象に実施。昨年度までに56戸が補助を受けている。

国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されている美馬市脇町のうだつの町並みで、修復中の家屋にかつてのうだつの痕跡が見つかり、復元作業が進められている。うだつのある家屋の数が増えるのは、1989年に重伝建に選定されて以降では初めて。景観保存に取り組む地元関係者らから歓迎の声が上がっている。
痕跡が見つかったのは、美容室経営三宅三千代さん(67)所有の木造2階建て、延べ約125平方メートルの町家。1893(明治26)年の建築で、約50年前に三宅さんの母親が購入し、借家などとして使われていた。
老朽化したため、2010年度から3カ年計画で、文化庁の補助事業を活用して修復工事に着手。11年3月、作業中の業者が町並みに面した2階の外壁の東西両端に、過去にうだつが取り付けられていたとみられる断面を発見した。
断面は幅約80センチ、高さは最大120センチで、市教委が構造などからうだつの跡と確認。三宅さんは「町並みのうだつが増え、景観づくりに役立てば」と復元を決めた。
この家屋でうだつが取り除かれた経緯や時期は不明。市教委によると、災害などで破損したうだつを修理した例はあるが、調査で見つかったうだつが復元されるのは初めてという。
地元住民でつくる南町町並み保存会によると、現在うだつを備えた家屋は町並み沿いに27戸あり、今回の復元で28戸に増える。小田完二会長は「家屋は町並みの東側入り口近くにあり、うだつが復元されれば見物客へのPR効果も高い」と歓迎している。
文化庁の補助事業は修復工事費の80%、最大600万円を国、県、市が補助する仕組み。うだつの町並みでは毎年、2、3戸ずつを対象に実施。昨年度までに56戸が補助を受けている。
2012/6/28 徳島新聞