毛利家菩提寺:大照院本堂を修理 完成は16年10月 /山口
萩藩主毛利家の菩提(ぼだい)寺(じ)の一つ、大照院本堂(萩市椿)の保存修理が進められている。完成は16年10月の予定。
今回の修理は、本堂の老朽化に伴うもの。建築から約260年が過ぎており、軸部の傾きが生じているほか、雨漏りによる腐朽、シロアリ被害もみられるという。事業費は5億8600万円。
臨済宗の大照院は1656(明暦2)年、萩毛利家の初代藩主・秀就(ひでなり)を弔うために建立された。1747(延享4)年の火災で伽藍(がらん)が焼失したが、すぐに再建された。本堂、庫裏(くり)、書院、鐘楼門、経蔵−−がそろった格式高い禅宗寺院建築で、奇数藩主を祭る東光寺(同市椿東)とともに、国の重要文化財に指定されている。
大照院は09年に鐘楼門を修理。その後、教典を納める経蔵でも修繕が進められている。
今回の保存修理にあたり、14日には修理工事の安全祈願祭が開かれた。【川上敏文】
〔山口版〕
( 2012年07月20日 毎日新聞 地方版)