楠葉台場に関所=長州藩の上洛阻止狙う?-入り口部分発見
楠葉台場に関所=大阪【時事通信社】

幕末期に勝海舟が設計し、淀川沿いに築かれた砲台跡「楠葉台場跡」(大阪府枚方市)で、虎口(こぐち)と呼ばれる城郭の入り口を確認したと、同市教育委員会が17日発表した。大阪から京都に向かう京街道の経路を変更し、台場内部を通過させる関所を設けていたことが判明したという。
枚方市史資料調査専門員の馬部隆弘さんは
「外国船対策というよりも、幕府側が敵対する長州藩など尊王攘夷(じょうい)派の志士の上洛(らく)を防ぐのが狙いだった」
としている。
市教委などは10月末から発掘調査を実施。土塁のすそ部の石積みが、虎口の一部であることが分かった。虎口の門幅は約5.7メートルと推定される。このほか、虎口から入った者がまっすぐ進めないようにする土塁「見切塁(みきりるい)」なども確認された。
2008年12月17日