史人の庵

　　巣山古墳に隣接する埋葬施設で見つかった船形埴輪の舷側板の一部＝１９日、奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所

　奈良県広陵町にある大王墓クラスの前方後円墳、巣山古墳（４世紀末－５世紀初め）に隣接する埋葬施設で魔よけの文様とされる直弧文を施した船形埴輪の破片約５０点が見つかり、県立橿原考古学研究所が１９日発表した。巣山古墳で出土した死者の棺を運ぶ「喪船」の部材にも同じ文様があり、船形埴輪では全国２例目。同研究所は「大王と関係が深い従者が葬られたのではないか」としている。











長さ１００メートルの葺石、奈良・巣山古墳で出土

　周濠の外堤部で１００メートルにわたって出土した葺き石（奈良県広陵町の巣山古墳で）

　奈良県広陵町の前方後円墳・巣山古墳（４世紀末～５世紀初め、全長約２２０メートル）で、 周濠 ( しゅうごう ) の外堤を保護する 葺石 ( ふきいし ) が長さ約１００メートル、幅２メートルにわたって出土したと、同町教委が７日、発表した。

　同教委は「巨大古墳の築造当時の様子が分かるのは珍しい」としている。

　過去に前方部の斜面でも葺石が見つかっており、墳丘と外堤の両方に葺石を敷き詰め、被葬者の威厳を高める視覚効果もあったとみられる。同県香芝市の 二上山 ( にじょうざん ) で産出する板状（長さ約３０～４０センチ）と、 拳大 ( こぶしだい ) の安山岩が使われた。

　同古墳は、古代の大豪族・葛城氏など有力者の墓とみられる。