町中を“化けもの”練り歩く…山形・鶴岡天満宮の天神祭
地酒やジュースを注いで回った“化けもの”(鶴岡市馬場町で)

“化けものまつり”の異名で知られる「天神祭」が25日、山形県鶴岡市内で行われた。
色鮮やかな長じゅばんに身を包み、編みがさと手ぬぐいで顔を覆った化けものたちが町中を練り歩いた。
鶴岡天満宮(同市神明町)の例祭の一つ。九州・太宰府に流された菅原道真公を慕う人々が、当時の権力者に身元が分かることを恐れ、顔を隠したまま酒を酌み交わして別れを惜しんだという故事に由来している。
化けものとして3年間正体を隠し、同天満宮にお参りすると願い事がかなうという言い伝えがある。このため化けものたちは、素顔を知られないように無言で沿道の見物客らに地酒やジュースをついで回った。
今年のテーマは「わたしも化けもの、おかあさんも化けもの」。母子で化けものにふんした鶴岡市桜新町の男子保育園児(5)は、「友達には正体がばれてしまいました」と照れながら、「初めて参加したが、楽しかった。今は願い事はないけど、次はばれないようにしたい」と話していた。
[ 2009年5月26日 (読売新聞)