<海女>「無形世界遺産登録を」三重・鳥羽でフォーラム
日本各地と韓国・済州島の海女が集まった初めての「日本列島“海女さん”大集合-海女フォーラム・第1回鳥羽大会」(鳥羽市など主催)が3日、三重県鳥羽市浦村町の海の博物館で開かれた。
参加した海女から磯場の荒廃と後継者不足を訴える声が相次ぎ、海女文化を守るためにも「無形世界遺産登録」を目指そうと呼び掛けた大会アピールを採択した。
「北限の海女」とされる岩手県久慈市から熊本県天草市まで国内10地域と韓国・済州島の海女計64人を含む210人余が参加、各地の海女たちから海と海女漁を巡る現状報告があった。
済州島で海女歴40年を誇るオ・ヨンスさん(54)は
「海女も減り海の汚染も進む。数十人の海女が潜ってもアワビが2、3個取れるだけ」
と嘆いた。「以前はたくさんの海女がいたが今は私を含め2人だけ」(福岡県宗像市)「磯場が荒れ、アワビやサザエが育たない」(三重県志摩市)--など厳しい状況が報告された。
一方、千葉県白浜町から参加した海女、鈴木直美さん(42)は
「生まれも育ちも東京だけど、海の仕事が大好きで移り住み、5月から海女漁に従事している」
と報告。久慈市の海女は「25年ぶりに新人海女が誕生した」と話し、会場は拍手に包まれた。海の博物館の石原義剛館長は
「世界遺産登録を合言葉に、海の環境保全と海女漁資源の回復育成を図りたい」
と話している。【林一茂】
[ 2009年10月4日 (毎日新聞)