薬師寺東塔・天井画の「華」顔料の剥落進む
東塔初層の天井に描かれた宝相華=伊東広路撮影

来年から解体修理が始まる国宝・薬師寺東塔(奈良市、高さ34メートル)で、初層(高さ約7メートル)内部の天井に描かれた「 宝相華 ( ほうそうげ ) 」について、彩色の 剥落 ( はくらく ) 状況を確認する初の調査が行われ、26日、報道陣に公開された。
宝相華は空想上の花で、東塔の天井には約1300年前の創建時に描かれたとされる。東塔内部は非公開で、これまで参拝者らが見る機会はなかった。
格子状や長方形の板計370枚に、朱や青、緑などの極彩色で描かれたが、現在は顔料の剥落が進み、かなりの部分で色がくすんでいる。金堂の天井にも、1976年の再建時に、東塔の宝相華をもとに描かれた。
調査している大山明彦・奈良教育大准教授(52)(絵画記録保存)は
「シンプルで力強い宝相華で、予想以上に残っていた。最善の保存方法を考えたい」
と話した。
[ 2010年1月27日 (読売新聞)