弥生の寸劇で平和願う=佐賀・吉野ケ里歴史公園
弥生時代遺跡を生かして環濠(かんごう)集落を再現した国営吉野ケ里歴史公園では、職員やボランティアによる弥生時代のオリジナルの寸劇を行っている。弥生時代の生活を学びに訪れる入園者は、間近で繰り広げられる劇で、弥生時代のイメージをさらに膨らませているようだ。
劇は季節に合わせて何通りもあり、例えば、古代米の田植え体験イベントでの寸劇は、以下のような内容になっいる。
田植えを終えた参加者の前に現れた吉野ケ里の王の一行。まずは、王が田植えをねぎらい、占いのオババが、かゆ占いで豊作を予言する。生きていくための稲作の大切さをセリフの中に随所に折り込んだ。次いで、隣国の脱走兵が吉野ケ里に逃げ込む騒動に発展。今や吉野ケ里の民となった脱走兵の手を見た王が、「この泥まみれの手は額に汗した農作物を育てる命の手、大切なわが民の手じゃ」とかばう。
そして引き渡しを求め訪れた隣国の使者を、客人として扱い「いつまでも争う時代ではない」と強く訴える。平和への思いを印象付けた劇に、イベント参加者らは見入っていた。
[ 2010年6月22日[時事通信社]