弥生の足跡くっきり、木の周り歩いた森林跡出土
祭祀(さいし)の跡か?中央の切り株を中心に円を描く弥生人の足跡(7月28日、奈良県御所市で)=奥村宗洋撮影
奈良県御所市の中西遺跡で、弥生時代前期(約2400年前)の森林跡が出土したと、同県立橿原考古学研究所が4日、発表した。
森の広さは約3000平方メートルで、ヤマグワ、ツバキ、オニグルミ、栗など22種類の樹木約200本(直径2センチ~1メートル)が立ち並ぶ。大洪水の際、一気に土砂で埋もれたとみられ、弥生人が木の周囲を歩いた足跡が、くっきり残っている場所もあった。1~1・5メートルの土砂に埋まり、真空パックのように残ったらしい。
北側に隣接して水田跡約1700平方メートルも見つかった。これまでの調査と合わせると水田跡は合計1万7000平方メートル以上で、全国最大規模。現代の里山に似た風景が復元でき、同研究所は
「森と共生し、農作業にいそしんだ弥生時代の人々の暮らしがわかる」としている。
[ 2010年8月4日 (読売新聞)