信長の安土城発掘シンポ、清涼殿説の攻防いかに
織田信長が築いた安土城をめぐる戦いが27日、地元の滋賀県近江八幡市で 勃発 ( ぼっぱつ ) しそうだ。
戦いの場は、安土城跡を1989年度から2008年度まで調査した滋賀県教委が「調査の集大成」と位置づけて主催するシンポジウム「安土 信長の城と城下町」。
基調講演とパネルディスカッションに、調査成果を批判してきた千田嘉博・奈良大教授(城郭考古学)が招かれた。
県教委は2000年、天守閣の足元にある本丸で大型の建物跡を発掘調査し、礎石の配置が京都にある御所「清涼殿」と酷似していると発表。
この発見により、天皇を自分が見下ろす場所に住まわせることで、天皇を超えようとした信長像が作り上げられ、定着してきた。
千田教授は
「礎石の位置を都合よく解釈している」
と清涼殿説に明確に反対してきた一人。3対1と不利なパネルディスカッションにも
「議論を巻き起こしたい」
と気合を入れている。
[ 2010年11月24日 (読売新聞)