奈良・水落遺跡、隣接する石神遺跡と一体整備
斉明天皇(在位655~661年)の時代、日本で最初に水時計が造られた奈良県明日香村の 水落 ( みずおち ) 遺跡と、北側に隣接し、賓客をもてなす施設があったとされる 石神 ( いしがみ ) 遺跡が石敷きの通路と地下水路でつながっていることを確認したと、奈良文化財研究所が2日、発表した。
同時期に一体整備されたとみられ、斉明朝の大がかりな土木事業の一端が明らかになった。
同研究所が両遺跡の間を発掘したところ、両遺跡の間に続く石敷きの通路(東西4メートル、南北3メートル)を確認。水落遺跡の 木樋 ( もくひ ) の痕跡2か所と銅管の痕跡1か所が北側の石神遺跡に向かっており、両遺跡が地下水路で結ばれ、水を一体利用していたことが判明した。同研究所は「二つの遺跡が深く関連することが裏付けられた」としている。
[ 2010年12月2日 (読売新聞)