キトラ古墳の石室に朱線…石組み時の基準線か
奈良県明日香村のキトラ古墳(7世紀末~8世紀初め)の石室を調査していた文化庁は24日、石室内に計20本の朱線が見つかったと発表した。
石材を組み合わせる際の基準線に利用したらしく、同村の高松塚古墳(8世紀初め)でも同様の朱線が見つかっている。
朱線(幅1~3ミリ)は天井に6本、床に3本、壁に11本を確認。最長は、床中央に南北に引かれていた約2・4メートル。また、床面に残る 漆喰 ( しっくい ) の状況から、棺台(東西68センチ、南北約2メートル)の痕跡を確認した。
文化庁の建石徹・古墳壁画対策調査官は
「高松塚との比較で、石室の築造方法の解明が期待できる」
と話している。石室の考古学的な調査は同日終了。今後、強度などを調べ、整備の資料にする。
[ 2011年6月24日 (読売新聞)