出雲大社の高層本殿「心御柱」、奈良で保存処理

出雲大社(島根県出雲市)は、2000年10月に境内で出土した鎌倉時代(13世紀)の高層本殿の柱「 心御柱 ( しんのみはしら ) 」(国重要文化財)について、 元興寺 ( がんごうじ ) 文化財研究所(奈良市)に合成樹脂による保存処理を委託した。
神の 依代 ( よりしろ ) ともされる最も神聖な柱が、今後約5年間の処理を経て、公開・展示が可能になる。
心御柱は1本で直径1・23~1・4メートルある杉3本を束ねている。根元部分が出土し、01年9月に取り出した後、県埋蔵文化財調査センター(松江市)で水に浸して保管。国や県の補助で処理が決まり、来年1、2月頃、研究所に運び込む。
中世の本殿は大木を組んだ柱の上に 社 ( やしろ ) があり、高さは約48メートルと現在の倍だったという。平安時代の教本「 口遊 ( くちずさみ ) 」は「 雲太 ( うんた ) 、 和二 ( わに ) 、 京三 ( きょうさん ) 」と、和(奈良の大仏殿)や京(平安京の大極殿)を超えて国内最高の建物と伝えている。
[ 2011年9月30日 (読売新聞)