「山田道」の遺構出土=幹線道整備の前段階か-奈良

奈良文化財研究所は11日、奈良県明日香村で、7世紀前半に飛鳥地方でつくられたとされる古代の幹線道「山田道(やまだみち)」の整備の初期段階とみられる道路遺構を発見したと発表した。
山田道は飛鳥地方北部を東西に走る古代の幹線道で、日本書紀などによると山田道とみられる道が613年ごろに整備されたとの記述があるが、完成するまでの経緯は明らかではない。
山田道をめぐる過去の調査では、飛鳥川東岸で東西を直線に延びる7世紀後半ごろの遺構が見つかっている。今回の調査では、川の西側へそのほぼ延長線上に延びる幅約1メートルの素掘り溝が見つかった。溝は道路の排水用で、出土した遺物から7世紀前半ごろにつくられたという。
遺構は小さな丘を避けるように西へ進むに従って北側へ迂回(うかい)するなど完全な直線道路ではなく、幹線道として完成する前段階の山田道の一部の可能性が高い。ただ、付近から官吏や豪族クラスの住宅とみられる遺構も見つかっており、既に主要道の機能は果たしていたとみられる。
[ 2009年3月11日[時事通信社]