新薬実験、囚人らに売春婦あっせんし性病に
【ワシントン=本間圭一】米政府は1日、中米グアテマラで1946~48年、当時新薬だった抗生物質ペニシリンが性病に効くかどうか実験するため、刑務所囚人や精神障害者らを故意に梅毒などに感染させたとして、同国に謝罪した。
約700人が実験の対象になったとされ、オバマ米大統領は1日、グアテマラのコロン大統領に電話で遺憾の意を伝えた。
マサチューセッツ州のウェルズリー大学のスーザン・レバビー教授が、米公衆衛生局(PHS)のジョン・カトラー医官(故人)の実験に関する未公開資料を発見し、政府に通知した。
米側の発表などによると、カトラー氏は同期間、PHSの支援を受け、グアテマラの刑務所や精神科病院で、囚人や入院患者に実験の意図を隠して売春婦をあっせんするなどの方法で性病に感染させた。
[ 2010年10月2日 (読売新聞)