硫黄島の遺骨収集に光明…米軍文書で激戦地特定
太平洋戦争史に残る激戦地として知られ、今も旧日本兵約1万2000人の遺骨が見つかっていない硫黄島で、厚生労働省は米国立公文書館に収蔵された米軍文書から、遺骨の埋まっている可能性のある激戦地や野戦病院の跡などを特定した。
正確に把握されていなかった激戦地が当時の作戦図などから判明したという。同省は今年から3年計画で、これらの地点を重点的に発掘調査する方針で、難航していた遺骨収集事業が大きく進展する期待が高まっている。
判明した主な地点は〈1〉北飛行場の西側〈2〉元山飛行場と北飛行場の間〈3〉日本軍の野戦病院や火葬場の跡〈4〉 摺鉢山 ( すりばちやま ) 付近――など。米国立公文書館には、米軍が硫黄島での戦闘を記録したファイルが保存されており、戦闘の日付や戦地ごとの死者数を記述した資料があるほか、日本軍の大砲の位置や道路、滑走路などを記した作戦図が残っていた。
[ 2011年8月25日 (読売新聞)