源氏物語の最古級写本、勝海舟?の蔵書印も…甲南女子大
甲南女子大(神戸市東灘区)は29日、同大学所蔵の「源氏物語( 梅枝 ( うめがえ ) の巻)」の写本が鎌倉時代中期のもので、現存する同巻写本の最古級の一つとみられると発表した。
縦15・4センチ、横15・6センチで計74ページ。現在、広く読まれている源氏物語のベースとなった藤原定家らによる「青表紙本」系とは異なる表現が少なくとも4か所確認され、見つかっていない紫式部の原本により近い内容の可能性があるという。11月4~7日と10日に同大学図書館で公開する。
源氏物語は、江戸期に版本が普及するまで写本で伝えられてきた。梅枝の巻は54 帖 ある源氏物語の第32帖で、光源氏の娘の明石の姫君が成人し、東宮に 入内する華やかな様子が描かれている。
写本の保存状態は良く、1枚目の余白の裏に勝海舟のものとみられる蔵書印もあった。
従来の写本と異なる記述は、光源氏と妻の紫の上が交わす書道についての会話などにある。青表紙本で「仮名はしどけなき文字こそまじるめれ(仮名は整わない文字が混じるものだ)」と男性の書についての一般論を語っている部分が、今回は語尾が、「まさるめれ」と一文字異なり、「整わない仮名をちりばめたあなたの書は素晴らしい」と紫の上の書の腕を評価する内容に読めるという。
同大学が1973年、古書店から購入。今年9月、関西大文学部の田中登教授(古筆学)に鑑定を依頼。書体や紙質などから、同巻最古とされる「保坂本」(鎌倉時代中期)と同年代であることがわかった。田中教授は「鎌倉中期までさかのぼる源氏物語の写本はほとんど残っていない。研究に一石を投じるものではないか」と話している。
縦15・4センチ、横15・6センチで計74ページ。現在、広く読まれている源氏物語のベースとなった藤原定家らによる「青表紙本」系とは異なる表現が少なくとも4か所確認され、見つかっていない紫式部の原本により近い内容の可能性があるという。11月4~7日と10日に同大学図書館で公開する。
源氏物語は、江戸期に版本が普及するまで写本で伝えられてきた。梅枝の巻は54 帖 ある源氏物語の第32帖で、光源氏の娘の明石の姫君が成人し、東宮に 入内する華やかな様子が描かれている。
写本の保存状態は良く、1枚目の余白の裏に勝海舟のものとみられる蔵書印もあった。
従来の写本と異なる記述は、光源氏と妻の紫の上が交わす書道についての会話などにある。青表紙本で「仮名はしどけなき文字こそまじるめれ(仮名は整わない文字が混じるものだ)」と男性の書についての一般論を語っている部分が、今回は語尾が、「まさるめれ」と一文字異なり、「整わない仮名をちりばめたあなたの書は素晴らしい」と紫の上の書の腕を評価する内容に読めるという。
同大学が1973年、古書店から購入。今年9月、関西大文学部の田中登教授(古筆学)に鑑定を依頼。書体や紙質などから、同巻最古とされる「保坂本」(鎌倉時代中期)と同年代であることがわかった。田中教授は「鎌倉中期までさかのぼる源氏物語の写本はほとんど残っていない。研究に一石を投じるものではないか」と話している。
(読売新聞)