熱海─小田原結んでた、レトロな手押し客車復元


 復元された豆相人車鉄道の客車
熱海─小田原結んでた、レトロな手押し客車復元
 明治時代後半、伊豆国・熱海と相模国・小田原を結び、車夫が人力で手押ししていた「 豆相 ( ずそう ) 人車 ( じんしゃ ) 鉄道」が、神奈川県小田原市根府川の宿泊施設「離れのやど 星ヶ山」の敷地内に、本物さながらに復元された。

 客車が走るのは約20メートルほどの区間だが、宿泊客以外にも無料開放され、鉄道ファンや子供らの人気を集めそうだ。

 復元された鉄道は、同施設経営の内田昭光さん(68)が施設に出入りしている大工と1年がかりで作った。幅0・61メートルの木製線路の上で、車幅1・3メートル、長さ1・7メートル、高さ1・6メートルの木製客車1台(5~6人乗り)を前後側面の手すりを押して動かす。

 内田さんは、曽祖父の代には今の宿泊施設近くを人車鉄道が通っていたと、子供の頃から聞かされていた。約10年前、湯河原町の和菓子店「 味楽庵 ( みらくあん ) 」経営で元国鉄マンの室伏昇さん(89)が同鉄道の客車を復元させたが、普段は店の前に展示されており、実際に走るのは年数回のイベントだけ。

 このため内田さんは
 「実際に走る姿を、いつでも楽しんでもらいたい」
と制作を思い立った。今後は、木製線路の上に鋼材を張り、
 「継ぎ目を拾う音もリアルに再現したい」
としている。

[ 2010年9月19日 (読売新聞)



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2010年09月26日 Posted byかるの at 21:17 │Comments(0)産業史

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