横浜市歴史的建造物に認定のビクター工場を解体へ、/

 横浜市歴史的建造物に認定されている日本ビクター「第1工場ファサード」(神奈川区守屋町3丁目)が解体されることになった。老朽化や資金的な理由でビクターが13日までに存続を断念した。近く市に認定解除を申し入れる。

 ちょうど80年前に完成。京浜臨海部の工場建築を象徴する建物として知られていた。市の歴史的建造物の解体は「横浜松坂屋本館」(中区)以来2件目となる。

 ビクターは認定解除を受け次第、年内にも解体工事に着手する。将来的に復元することも視野に入れ、設計図は保管。建物に刻まれた会社のロゴや蓄音機に耳を傾ける犬(ニッパー)のプレート、壁の一部なども撤去して保管する。

 「ファサード」は1999年度に市歴史的建造物に認定。これまでに外観保全費、維持管理費など計約900万円が助成されており、解体にあたり全額を市に返納する考え。

 ビクター本社・横浜工場は、親会社JVC・ケンウッド・ホールディングスが佐川急便のグループ会社に売却済み。ビクターは本社を移す隣接の入江工場内にファサードを移設することも検討したが、老朽化などに加え移転費用の工面が困難と判断した。

 ファサードは正門入り口にある1階建ての建物。1930年完成。当時東洋一と呼ばれた蓄音機の製造工場の面影を残す。国の近代化産業遺産の認定も受けており、経済産業省によると全国で千カ所以上の認定遺産のうち解体は3件目。


2010年12月14日カナロコ



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2010年12月16日 Posted byかるの at 09:15 │Comments(0)産業史

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