スポンサーサイト
代用貨幣:進駐軍のメダル発掘 奈良教育大敷地
進駐軍が造幣局に製造させたメダルを発掘した金原正明教授=奈良市の奈良教育大で、高島博之撮影

進駐軍が基地内の娯楽施設で使うため造幣局(大阪市)に作らせた「代用貨幣」(メダル)247枚が、奈良市高畑町の奈良教育大の敷地発掘調査で見つかった。敷地は、旧日本陸軍奈良連隊の駐屯地を進駐軍が接収して「キャンプ奈良」としていた。メダルは複数の基地名や大隊名などが英語で刻印され、占領下の日本で過ごす進駐軍将兵の暮らしぶりを伝えている。専門家は「貴重な出土」と評価している。
発掘場所は新薬師寺の旧境内にあり、同大学が1月、史跡整備に伴って調査した。メダルは大中小の3種類あり、直径は約24~約18ミリ。深さ約30センチの土中に埋まっていた。
使われていた基地名が分かる刻印は「NARA JAPAN 25¢」(奈良 日本 25セント)と「ITAMI AIR BASE OFFICERS CLUB」(伊丹空軍基地 士官クラブ)。部隊名は「64TH F.A.BN. NCO CLUB」(第64野戦砲兵大隊 下士官クラブ)や、「159 F.A.BN SGTS CLUB」(第159野戦砲兵大隊 軍曹クラブ)などがあり、部隊別や階級別に娯楽施設が存在していたことがうかがえる。
造幣局によると、進駐軍の指示で全国の基地にあるジュークボックスやスロットマシーン用にメダルを製造。約40枚は残っているが、製造した種類や枚数、期間は不明という。
戦争遺跡に詳しい大阪府文化財センターの江浦洋・調査課長は
「進駐軍の様子が分かる史料の多くは連合国側に残り、国内ではわずかな文字資料や写真から垣間見る程度。特に進駐軍の日常生活は記録に残っておらず、文字の刻まれたメダルの出土は貴重だ」
と驚いている。【高島博之】
[ 2011年6月15日 (毎日新聞)
2011年06月19日 Posted by かるの at 21:16 │Comments(0) │考古学(埋蔵文化財)
奈良で縄文草創期の石器工房跡 西日本初、破片2万点出土
奈良・勢野東遺跡で見つかった縄文時代草創期初頭の石器工房跡(奈良県立橿原考古学研究所提供)

奈良県三郷町の勢野東遺跡で、縄文時代草創期初頭(約1万5千年前)の石器工房跡が見つかり、同町教育委員会が27日、発表した。やりの先に付ける石器を作る過程で出る大小多様な破片約2万点がまとまって出土。この時期で同じ石器が大量に出土した遺構はこれまで東京、新潟、長野で計4カ所確認されているが、西日本では初めて。見つかったのは、槍先形尖頭器と呼ばれる石器の材料「サヌカイト」の破片。
[ 2011年5月27日 (共同通信)