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群馬県みなかみ町・旧戸部家住宅
国指定重要文化財 旧戸部家住宅
この建物は利根郡川場村にあり、群馬県北部の農家建築として平面構成と構造の特異性が認められ、国の重要文化財に指定されたもので、建築年代は明らかではないが、18世紀前半と推定される。
建築後数々の増改築が加えられ、今日まで維持されてきたが、旧所有者が新居建築のためこの建物の今後の保存管理上、水上町が買い上げて移築保存する事になったもので、昭和48年9月より49年8月まで12カ月を要し、解体移築を行い建物は建設当初の姿に復元されたものである。
建物の主な特徴
1:平面構成は土間と床に二等分された、三間取りの平面構成であり、開閉個所が少なく家内が暗い。
2:全般的に壁、袖壁が多く出入り口は全て片引き板戸で窓は無い。
3:柱の立つ密度がたかく、全部材は釘削りである。
4:一般に天井がなく小屋裏を化粧とする。
5:枚首組作りであり、構造材には釘を使用していない。
6:釘を使用する個所は床、壁板、天井板に和釘を使用している。
7:クレグシ(芝棟)は群馬県北部独特のものであり、他に例をみない。
8:畳の間が少なく、「でえどこ」の炉は三方炉であり馬屋を二室設けている。
9:「トボ」というところを設け、客人と家族の出入口を違えている。
10:江戸初期の農家建築は全国的に数少なくこの戸部家住宅も群馬県を代表する一棟である。