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菅谷たたら山内 刻む記憶
◇来月上旬から保存修理
保存修理工事が行われる菅谷たたら山内の高殿。26日にはライトアップされる(雲南市吉田町で)

国の重要有形民俗文化財に指定されている雲南市吉田町の「菅谷たたら山内」で、市が9月上旬から、たたら製鉄が行われていた高殿などの保存修理工事を始める。老朽化が進んだためで、操業停止時点の状態に戻し、施設の保護と積極的な活用を図る。工事を控え地元有志は、26日に高殿のライトアップなどのイベントを開く。(佐藤祐理)
菅谷たたら山内は、「日本一の山林王」と呼ばれた田部家が経営。1751~1921年に、たたら製鉄が行われ、高殿は全国で唯一残されている生産施設として知られる。映画「もののけ姫」に登場するたたら場のモチーフにもなった。
たたら製鉄の歴史を伝える施設として一般に公開されてきたが、老朽化で雨漏りがし、崩壊の恐れもあるため、市が9月上旬から16年度にかけて段階的に工事することした。高殿のほか、作業場と事務所などが一体となった元小屋、賃金として支払うための米を保存していた米倉、山内祠(し)などが対象。総事業費は約5億4000万円を見込む。
高殿は9月上旬から13年度まで、半解体修理を予定。屋根のふき替えや、外壁の解体修理、梁(はり)の部分取り換えなどが行われる。期間中は建物を素屋根や囲いで覆うため、原則、見学できなくなるが、期間限定で公開する。今後、日程などを調整するという。
一方、地元住民などでつくる実行委員会が、26日午前10時~午後5時、高殿周辺で「菅谷たたら 夏の火焔(ひ)まつり」を企画。昭和時代の山内の写真展示や、和太鼓の上演、ヤマメのつかみ取りなどを行う。同日午後7~9時には、高殿をライトアップする。実行委員長の朝日光男さん(66)は、「現在の山内の様子を見ることができる良い機会。たたらで栄えた地域の面影を胸に刻んでもらいたい」と話している。
問い合わせは鉄の歴史村地域振興事業団内の菅谷たたら火焔まつり実行委事務局(0854・74・0311)。
(2012年8月21日 読売新聞)