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考古学で知る震災の歴史 地底の森ミュージアムで企画展
弥生時代の津波で現在の仙台市若林区に運ばれたとされる砂の堆積層(中段の白っぽい層)

かつて仙台を襲った震災の爪痕や、震災後の先人の営みを紹介する企画展「それでも生きる! 考古学からみる災害のあと」が12日から、仙台市太白区の市富沢遺跡保存館「地底の森ミュージアム」で開かれる。弥生時代の津波跡や復興への取り組みを伝える貴重な資料を展示する。
先人が乗り越えてきた震災について、多くの被災者に知ってもらおうと同館が企画。遺物やパネル、模型など約70点で震災をたどる。
弥生時代のコーナーでは若林区荒井の「沓形(くつかた)遺跡」から「土層転写」(剥ぎ取り)という手法で保存された地層を紹介する。地層には津波で海底から運ばれたとされる砂が水田の層の上に5センチほど積もる。同館学芸員の中谷可奈さん(31)は「少なくとも300年は耕作放棄された可能性がある」と指摘する。
平安時代の貞観地震(869年)関連では、倒壊した建物の修復のため新羅系の瓦を焼いた「与兵衛沼窯跡」(青葉区新堤)の模型も並べる。当時の中央政府が高度な技術を導入し、復興へ注力したことがうかがえる。
液状化現象の痕跡がある王ノ壇遺跡(太白区大野田)や、被災し廃棄されたとみられる陸奥国分寺跡(若林区白萩町)の瓦などもパネルなどで解説する。
中谷さんは「タイトルの『あと』には『跡』と『後』、二つの意味を込めた」と説明。「地域の先人も天災に苦しみ、生き抜いてきた。その証しをたどれば、東日本大震災に直面する私たちも未来へ歩む力を得られるはず」と期待する。
12月2日まで。入館料は一般400円、高校生200円、小中学生100円。連絡先は022(246)9153。
2012年10月09日